知らない人

私がまだ若い頃、子供を保育園に預けてスーパーのレジをしていた。その後本職に戻り暫くした時姑が発病。介護も有って一旦辞してまたスーパーのレジ。お母さんの具合によって出たり入ったり、数えてみればパートをしたスーパーは五箇所。それぞれ地域も違う。だから方々のお客さんと顔見知りになって、外で声をかけられても分からない人がいたりする。未だに覚えてくれていたりするのは嬉しい。だから外で声をかけられたら私は知らない人と思ってもまず挨拶を返す事にしている。今日ホームセンターで声をかけて来た老齢のご婦人は勿論存じてない方でした。椎茸の種の植えてある原木を見て「これ、椎茸よね。私の田舎でこれに水をかけていたのを覚えているの。何で家に水をかけるのかなと思っていたのよ。」と長々お話になる。私はそうですか、そうですかと返すだけ。その時主人が買い物を済ませて来たので失礼したのですが。歩き方を見て「お大事にね。私は目が悪くて。」と声をかけてくれた。私はああ、話したかったんだな、寂しいんだな。と、気がついた。今は一人暮らしのお年寄りが多くて寂しい人が増えている。どう考えても昔のお客様では無かった。でも私と話した事で少し心が弾んだならそれはそれで嬉しい。誰もが声を掛け合っていたあの昭和の頃の光景が懐かしく蘇返って来たのである。🍎

 

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